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夜天の使い魔35話

 皆が寝静まった夜半、イザベラは一人ラグドリアン湖に向かう。周りに人目が無い方がなにかと動き易い。穏便に済めば良いが、そうでなければ派手に立ち回る事になる。そのような場合、未知の魔法を行使している所を目撃されては困るからだ。
「さて」
 再び湖へと戻ってきたイザベラは指で指輪を弄びながら思案する。この青い指輪は水の精に対する餌だと魔女は言っていたが、具体的にはどのように使えば良いのだろう。
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21 : 17 : 14 | 夜天の使い魔 第二部 | トラックバック(0) | コメント(7) | page top↑

夜天の使い魔34話

 初夏の陽気の中、ごとごとと音を立てて一台の馬車が街道を行く。飾りつけは簡素ながらしっかりとした作りのそれは、一目で貴族が乗っていると判るものだった。そしてその中に居るのは一人の少女。生あくびを噛み殺しながら太陽の光に身を委ね、夢現と言った心持で彼女は室内の角に寄りかかっていた。
「ああ……今年も大分暑くなりそう」
 ほんの僅かに汗が滲むこの気温位が丁度良い、出来ればずっとこのままが良いな、と暢気に思考を巡らせていたのは大国ガリアの王女、イザベラであった。
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19 : 38 : 13 | 夜天の使い魔 第二部 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑

夜天の使い魔33話

 きい、と微かな音を立てて開いた扉の先は、闇。光の一切差し込むことの無い室内はまるでグラン・トロワ内に別の世界が設けられているかのようであった。
「父上?」
 イザベラの問いかけは、空しく闇に吸い込まれるばかり。
 本当に、この部屋だっただろうか。自分はもしかして勘違いをして別の部屋に辿り着いてしまったのではないだろうか、と彼女は己を訝しんだ。ヴェルサルテイル宮殿内に住まうとは言え、イザベラは殆どプチ・トロワから外に出る事は無い。勿論、グラン・トロワに赴くのもこうやって父と会う時位なものだから、この巨大な宮殿の全てを把握している訳では無いのだ。
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20 : 56 : 07 | 夜天の使い魔 第二部 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑

夜天の使い魔32話

 鳶が鷹を産む事は無く、蛙の子はやはり蛙である――。

 かつてガリアの国には愚鈍な兄と秀麗な弟という対照的な王子が二人居た、という事はその首都リュティスを初め国内のあらゆる人々に良く知られた話であるが、彼等娘達の事は意外なまでに知られていない。それも当然の事だろう。片や身分を剥奪され表舞台から姿を消しており、そしてもう一方は己の居城から外にも出ずに居るのだから。
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21 : 45 : 33 | 夜天の使い魔 第二部 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑

夜天の使い魔31話

 ガリアの王が代替わりを果たした時あたりからだろうか、彼女は何時の間にかそこに居た。決して表立って姿を現す事はしなかったが、ある時は無能王とチェスに興じる姿を側近達に目撃され、またある時は一人世闇に包まれた庭園の中を行く姿を目に留まらせた。彼のヴェルサルテイル宮殿に足を運ぶ者にとって、彼女の存在は既に当たり前のものであった。
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23 : 09 : 53 | 夜天の使い魔 第二部 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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