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夜天の使い魔32話

 鳶が鷹を産む事は無く、蛙の子はやはり蛙である――。

 かつてガリアの国には愚鈍な兄と秀麗な弟という対照的な王子が二人居た、という事はその首都リュティスを初め国内のあらゆる人々に良く知られた話であるが、彼等娘達の事は意外なまでに知られていない。それも当然の事だろう。片や身分を剥奪され表舞台から姿を消しており、そしてもう一方は己の居城から外にも出ずに居るのだから。

 ハルケギニアにその二つ名を良く知られた現代ガリアの王ジョゼフには一人の娘が居た。父親に似た見目麗しい顔貌と王族特有の青い髪を受け継いだ姫の名はイザベラ。オルレアン公の息女シャルロットが存在しない今、公式に存在するガリア唯一の王女である。
 父が「無能王」であるならさしずめ彼女の二つ名は「我侭姫」であろうか。ジョゼフが王位に就いた頃から顕著になった彼女のその行いは周りで使える侍従や召使達の恐怖の的であった。父の権力を傘に着てとにかくやりたい放題し放題、さながらプチ・トロワの暴君と称すべき様相であった。

 広いおでこの下に鎮座した眉が険しくなってくると、周りに控えた者達の間に軽い緊張が走る。この青髪の王女の表情がこのように変化してくると要注意の徴であるからだ。召使達は表情こそ変えないものの、皆顔の下では気を引き締めていた。
 ――そろそろくるぞ、絶対来る。
「おい、そこのお前」
 ――やっぱり来た!
 びくり、と指名された召使が体を振るわせる。まだ入りたての少女と言っても良い年頃の平民だ。指名されなかった者達は皆一様に胸を撫で下ろし、そして次の瞬間にはこの哀れな新入りの犠牲者に同情を捧げる。今日は一体どんな無理難題が飛び出してくるのか。
 イザベラは召使を指し示していた豪奢な扇子をばさり、と開くとつまらなそうに――しかし、聞く者にとっては託宣の如きそれを――告げた。
「カード遊びは好きかい?」
「は、はい」
「退屈なんだ、相手をしな。お前が勝ったら……そうだ、一勝ごとに100エキューくれてやるよ。その代わり、負けたら……」
 ふむ、と暫し彼女は熟考し、
「とりあえず、服でも一枚づつ脱いでいってもらおうか」
 傍からこの会話を誰かが聞いていたなら、勝利の100エキューに対し敗北の服一枚とは余りにも望外なレートに思えるだろうし、また何故この程度で彼女が恐れられるのか理解出来ないだろう。
 しかしこの場に居る者達は知っている。これは表層からは窺い知る事が出来ぬ程に分の悪いゲームなのだと言う事を。
 遊戯が始まり、1ゲーム、2ゲームと場は進む。それが暫く続いた後、出来上がったのは――。
「なんだ、もう丸裸か。早いねえ」
 あっと言う間にひん剥かれた一人の少女の姿だった。
 ジョゼフがチェスの名手であるのと同じように、また娘も恐ろしい程にこの手のゲームが上手かった。チェスの腕は父には及ばぬものの殆どの者達は相手にならず、カードだろうがサイコロ遊びだろうが、とにかくあらゆる遊戯に於いて彼女はべらぼうに強かった。強すぎると言ってもいい。
 今回に限らず、召使達が彼女の相手をする時いかさまの類は一切無い。彼女達は純粋に持てる力の限りを尽して勝ちに行っている。しかし勝てない。極稀に、なにかのきまぐれが作用したのか始祖の恵みなのかぽろっと勝ちをもぎ取る者が出る事もあるが、殆どの場合は彼女達のぼろ負け、完膚なきまでの敗北で幕を閉じる。
 今回もそうだ。哀れな子羊が己の掛け金を全て失い決着を見た。

 しかし、恐怖はここからだ。今まではほんの余興に過ぎない。

「これじゃあひん剥くものがもう無いじゃないか。ん? まだあったか」
 過剰なまでに大仰な口調は、明らかに最初からそうするつもりだったと雄弁に物語っていた。
「じゃあ次からは……負ける度に爪を一枚づつ剥いで行こうか。これならあと20回はやれるからね!」
 少女の顔からさあっと血の気が引いていく。これこそが、イザベラ王女の「ゲーム」だ。最初のお題目など飾りに過ぎない。これより先が本当の始まりなのだ。
 イザベラは上機嫌でカードを手に持つ。しかし相手となる少女はそうは行かない。血の気は顔ばかりでなく全身から引いたようで元より白い彼女の肌がより一層、病的と言えるまでに蒼白となり、薄い札を持つ手は傍目からもはっきりと分かるほど激しく震えていた。己の意に従わず律動する指からはらり、と札が落ち机の上に晒される。
「おやおや、これは手心を下さるおつもりかい? じゃあそのお優しい心にお答えして一つわたしも話をしてあげようじゃないか」
 卓に晒されたカードを優雅に拾い上げると、イザベラはそっと彼女の手元へそれを戻し、震えるか細い指を撫でながら言葉を続けた。
「爪を剥がされる痛みはね、そりゃあ痛いそうだよ。鍛えぬいた大の男でも悲鳴を上げるのを堪える事は出来ないってさ」
 つ、と王女の美しい指が少女の指を這い、その先にある爪をゆっくりと、いとおしそうに撫で回す。
「口を中々割らない頑固者もね、余りの痛みに耐えかねてほいほい喋り出すらしいわよ。果たしてあんたは我慢できるかしらねえ?」
 白くなりきっていたはずの少女の顔色が、さらに白く、磁器にも等しい程になっていく。頬や首筋を伝うのは、確実に冷汗であろう。本人は隠しているつもりだろうが、呼吸も激しく乱れ始めている。最早限界の際に達している事は誰の目からも明白であった。
「さあ、とっとと終わらせようじゃないか」
 イザベラの声に促されるままに、極限の中、それでも一縷の望みを賭けて少女は勝負に臨む。しかし結果は――やはり少女の敗北。
「よし、それじゃあ次の代価を支払って貰おうか」
 何時の間にだろうか、イザベラは一本の短剣を手にしていた。彼女が身につけている諸々のものと同じように豪奢なそれが放つ光が、今の少女には堪らなく恐ろしいものに見えた。
 少女の手を、王女が力強く押さえる。
「大人しい、って言うのは良い事ね。今更あがかれてもみっともないもの」
 元より少女は抗うつもりなどなかった。今一時抵抗したところで、こんどはそれを理由に後々処罰が下るのは明白なのだから。このプチ・トロワに於いてイザベラという少女は絶対君主である。その彼女に逆らって、どうして無事で居られようか。
 故に彼女は覚悟を決めた。しかし、鈍く光る刃がほんの僅かに肌に触れた時、その冷たい感触が身に染み込んで変質したかのように再び恐怖が首をもたげる。
「わたしは力が弱いし刃物の扱いなんて不得手だからねえ、ちょいと痛くなるけど許しておくれよ?」
 そんな断りが、さらに恐怖を助長させる。
「さあて、どの指が良いかしら? 親指? 人差し指? いいや、カードが持てなくなると困る、まずは小指が妥当だね!」
 逆手に握られた短剣が、最も小さな指に狙いを定めた。爪と皮膚との間にあてがわれ、次の瞬間には突き刺さるだろう。少女はぎゅっと目を閉じた。そうする事で苦痛が和らぐだろう、もしくはどんなに大きな苦痛でも耐えられるだろうと考えて。しかし、小指の先に極小の熱を感じた瞬間、心の中で抑えつけていた恐怖心が身の悉くを冒し尽し――。
 少女は意識を手放した。
「……部屋に運んでやりな」
 少女が意識を失った事でもう終わりだ、とでも良いたげにイザベラは言い放った。
 血塗れになるかと思われた卓上は、血の一滴すら垂れてはいなかった。短剣の先が少女の指に触れた瞬間、彼女は意識を手放したのだ。そしてそれを認めたイザベラは、爪を剥がすことなく場を開いた。
 今回は被害無く全てが済んだが、毎回こうという訳でも無い。実際酷い目にあった者も確かに居るのだ。その事実が、周りの召使達に緊張を強いるのだ。今日は戯れかもしれない、しかしもしかしたら本気なのかもしれない。その不確定さが恐ろしさを煽るのだ。

 このような余りにも分の悪い賭けの他にも様々な無理難題を吹っ掛ける事があり、その様はまさに我侭姫と称するに相応しいものであった。


 しかし、イザベラとて最初からこのように我侭であった訳では無い。幼少の頃は歳相応に無邪気で、純真で、素直な少女だった。また利発であり、紛れも無く非凡な才を持つ事は明らな、未来を感じさせる少女だったのだ。だが悲しいかな、彼女には唯一にして最大の汚点があった。

 ――魔法が不得手であったのだ、彼女は。

 このハルケギニアの貴族社会に於いて、それはあらゆる美点を吹き飛ばす程のものであった。貴族とは魔法という巨大な力を行使する、平民より一段上の存在。その立場にある者が、しかも特にそれが求められる王族が魔法下手というのは、先ず真っ先に糾弾されるべき要素であったのだ。
 当然少女は努力した。何度だって頑張った。辛くても苦しくても必死になって頑張り抜いた。しかしそれでも、駄目だった。
 魔法とは、生まれ持って授けられた力である。故にその力の強弱は純粋に才覚に因る所が大きく、努力によって伸びるのはほんの誤差程度の力。つまり、元より才乏しく生まれてしまったのならば、どう足掻いても挽回は出来ない。それが、このハルケギニアに生きるメイジの理。遥か古より決定付けられた宿命であった。そして悲しい事に、イザベラという少女にはその才覚が、魔法の能力というものが決定的に欠けていた。
 ハルケギニア6000年の歴史を紐解くと、ブリミルより授けられし3つの王権に連なる血筋の者達は強力なメイジであるのが通例であった。最低でもトライアングル、スクエアに届く者も珍しくない。安定した強者を送り出す血こそ王族の証だと言ってしまっても過言では無いのだ。
 しかし無能王とその娘、二人の父子は違う。父はコモンマジックすら碌に使えないし、娘もせいぜいドットクラス。貴族としては絵に描いたようなおちこぼれ、それが王族であるなら最早罪とすら言えるまでの醜態だ。

 幼いイザベラに投げかけられる侮蔑の視線が、皮肉に満ちた言葉がどれだけ彼女を苦しめただろう。面の皮の厚い宮廷貴族達は表向き慰めの言葉を彼女にかけるが、そこには必ず「あの無能者の娘だから仕方が無い」、そういった感情が含まれていたのは幼い彼女にも容易く理解出来た。表層と深層との乖離した言葉は、暴力に相違無かった。

 そして彼女をより一層惨めにさせる存在が身近に居たのもまた大きな不幸であっただろう。
 オルレアン公の娘、シャルロット。天才と称された父より生まれた子はやはり非凡な才能を幼少の頃より開花させ、イザベラがコモンマジックに四苦八苦している頃既にラインクラスにも届くだけの実力を備えていた。その様子を見て皆が口々に言うのだ。
「シャルロット様はお父上にも並ぶメイジになるに違いない」
 決して彼女に投げかけられる事の無い美辞麗句が、惜しみなくその少女には与えられる。それを間近で眺めなければならないというのは、苦痛の極みであった。
 どんなに努力を重ねようと、それが認められる事は無い。たった一つ、たった一つが為せぬだけで有り様の全てを否定される。それは彼女の父が歩んだ道でもあった。彼女は僅かばかりとは言え魔法が使えた分父より幾分か風当たりは弱かっただろう。しかしだからと言って傷付かないという訳が無い。
 幼い少女の胸に、静かに、徐々に、己自身も気付かぬ内にそれは降り積もっていった。感じられぬ程に希薄でありながら確たるものとして存在するそれは、長い年月を経てその胸中に澱み溜まって行ったのだ。
 気付けば――イザベラは、己の感情の発露を抑えることが出来なくなっていた。一度たがが外れれば、どうしようもない嗜虐心が首をもたげ、彼女を突き動かす。その火は、他人を傷つけずにおさまる事は、無い。それは自分の中に形作られた怨嗟という悪魔が、供物を求めているかのようにイザベラには感じられてならなかった。

(ああ、またやっちまった)
 不遜な表情を崩さぬまま――イザベラは今日も一人胸中で嘆息する。彼女はこの癇癪を起して後悔しなかった事は無い。いつだって、やってしまってからこのどうしようもない性分を呪うのだ。
 イザベラという少女は人並み外れて聡明である。聡明である、というのはただ単に物が沢山覚えられるとか計算が早いというだけでは無い。それは、与えられた情報を吟味し、最適な解を導き出す事の出来る能力の事。そんな力を持つ彼女が、このような行いを本質的に是として捉えるだろうか? 何より幼少から恥辱と苦痛を味わってきた彼女が、また他人の痛みに鈍感で居られるだろうか? それは確実に否である。
 風評や周囲からの印象とは真逆に、イザベラは己の行いを恥じていた。他人を傷つけてしまうどうしようも無い自分をこの上も無く恥じていた。
 しかし、どんなに心を痛めてそれを自制しようとしても、育ってしまった怪物は最早制御しきれないものに成長してしまっていた。必死に耐え忍び、それを表に出すことなく努力した事が不幸にも彼女の心に怪物を住まわせた。それは、余りにも悲しい結果だった。

 外に出れば、多くの者達と触れ合えば、きっと他人を傷つけてしまう。だから彼女はプチ・トロワに篭るようになった。自らの中に住まうものは何時如何なる時、どのような事を契機にして爆発するのか彼女自身にすら皆目検討もつかなかったからだ。
 また彼女は己の風評を利用した。無能と思われているのならそう思わせておけばいい。さらに傲慢の限りでも尽せば、人は寄ってこないに違いない。だから彼女は偽った。自分に「我侭姫」の仮面を着けて。そうすれば、人は自ずから自分を避けるだろう。
 こうして彼女は誰とも触れ合う事の無い退屈な日々を選んだ。倦怠の中に身を沈ませていれば、激発する事も無いだろうと、そう考えて。

 しかし――それは余りにも甘い考えだった。

 自ら望んだ倦怠、それ自体が彼女の感情の発露を誘発すると気付いたのは、プチ・トロワに篭ってからそう時間はかからなかった。余りにも代わり映えのしない日々が自分の中に住まうものを甚く刺激するのだろう、気付けば召使に当り散らす日々を送っていた。
 ――一体、どうすれば良い。
 為すも地獄、為さぬも地獄。最早どうにもならなくなった彼女に出来たのは、なるべく穏便に日々が過ぎてゆくのを祈る事だけだった。


 そんなイザベラの事を、侍従や召使達は大層恐れていた――と他の者は思うだろうが、意外な事に傍目から見る程に彼女は恐れられてはいなかったし、怖がられてもいなかった。
 イザベラの起す癇癪は脅威である。しかし大体に於いて、その仰々しい行いに相反するように、実際事が起こる事は無く、本日のように寸でで止められるのが通例であった。だが実際に被害を受けた者は皆無では無い。この事は何を意味するのか?

 このプチ・トロワに我侭姫が住まうようになった当初、召使達は彼女の癇癪に辟易し、時折引き起こされる凶事に震え上がっていた。しかしある程度の年月を重ね、一体どのような人物が標的とされて被害に遭うのか、という事が段々と明らかになってきたのだった。
 彼女は、真面目に働いている者に対し、決して手を下さない。彼女の戯れにより被害に遭ったのは入りたての新人を虐めていた者であったり、または不正に金銭を横領していたりと、このプチ・トロワで何らかの後ろ暗い行為に手を染めていた者が殆どであり、残りの少数は声高に彼女を馬鹿にした言動を取り周りの者に吹聴して回っていた者であった。誠実に、真面目に働いている限り、戯れで指名されたとしてもそう酷い目には遭う事は無い。とは言えそれでも無理難題に付き合わされる事には変わり無く、出来る事なら姫様のお相手は極力ご遠慮願いたいと思っているのが皆の胸中であった。

 本日イザベラの相手をした少女は不幸な事に、入りたてでありそのような事情に疎かった。勿論心優しい先輩達から「ちゃんとと仕事をしている限り被害に遭う事は無い」ときちんと説明されていたのだが、彼女は先日仕事中の不注意で皿を一枚割っており、その事が原因で咎められるのではないかと過剰に恐怖心を膨らませてしまったのだった。当のイザベラにしてみればこのような粗相は別段処罰に値するものでもない。なにせ彼女自身の癇癪で器物を破損させる事など日常茶飯事で、それなのに他人にその罪を問うというのは余りにも恥ずかしい事だと思っていたからだ。しかし彼女の普段の言動と態度からそういった思慮は窺い知れず、結果少女は「本当に爪を剥がされてしまうのではないか」と戦々恐々としてしまったという訳なのだった。

 それに、この気紛れから来る癇癪が与えるものが全て害悪であった訳でも無かった。例えば先輩から虐めを受けていた侍女――国境の田舎から奉公に出てきていた彼女に対し、リュティス出身の娘が陰湿な嫌がらせをしていたそうだ――はそれから開放され仕事に専念する事が出来るようになった。最もその結果今度はイザベラ自身の癇癪に付き合わなければならなくなったのだが、生きる気力を失うような陰湿なやり口に比べれば、度を過ぎてはいるものの子供の癇癪の延長にあるそれに付き合う方が比べ物にならない程ましだ、というのは本人の談である。

 またある時の話であるが、早朝居室にてイザベラが目を醒まし、部屋を整える侍女たちの動きを見咎めた事があった。
「今日は一人少ないんじゃないの? このわたしのお付だというのにサボりとは豪胆な奴も居たもんだね」
 投げやりながらも険を含んだ物言いに、剣呑なものを感じた召使の一人が即座に言葉を返した。
「申し訳御座いません姫様、一人は本日体調が思わしくない為に床に伏せっております」
「なんだ、気疲れかい? 体調管理はしっかりして欲しいね。新しい奉公人探すのも手間なんだよ」
 悪態をつく様を見て、もしかしたら彼の侍女は首になってしまうのでは、とその言葉を聞いていた部屋の召使達は危惧を覚えた。
 その日体調を崩した侍女は、誰よりも真面目な娘だった。彼女は他の大多数の娘と同じように奉公に来た身であり、不幸な事に父を早くに無くした身の上だった。その為こうやって働く彼女は郷里に残してきた家族にとって大黒柱に等しい存在であり、その自負もあって人一倍熱心に仕事をし過ぎて倒れてしまったのだった。
 同僚達はその事実を知っており、もし辞めさせられてしまったら彼女はどうなってしまうのだろう?と思わずにはいられなかった。

 それから幾日か経ち、彼女が再び復帰したのを見計らったかのようにイザベラの気紛れが彼女達を襲った。イザベラの指が選び出したのは、まさに本日復帰を遂げた彼女であった。
 彼女は内心、首を覚悟した。いや、解雇を受けるのみならず本当に首を討ち取られてしまうのかもしれない、とすら思った。どう言い逃れをしようと無断欠勤なのは確かなのだ。それをこの宮殿の主が見逃してくれるかどうか――。
 我侭姫がその日選んだ戯れはサイコロ遊びであった。運の絡む要素が強いが、それでもこの姫様はやたらに強い。カードゲームに比べれば大分勝機があると言えるが、それもどんぐりの背比べ程度のもの、敗北は必定に等しかった。
 しかし、その日勝利したのはイザベラでは無く、相手となる侍女であった。
 特に処罰を受ける事無く、逆に幾らかの褒賞すら与えられて場を引き下がる事になった彼女は首を傾げた。たまたま始祖の導きにより強運が作用したのだろうか?
 それからも極稀に王女から勝利をもぎ取る者が現れたが、彼女達も自分の強運を素直に信じる事は出来なかった。
 しかし例が揃えば察しはついてくるものである。徐々に「これは意図的に仕組まれたのではないか」という推察が召使達の中で出来上がってきた。イザベラから勝利を得た者の大半は、真面目に仕事に精を出していてかつ金銭的な必要に迫られている者達や他の者達が嫌がるような仕事を率先してやるような模範的な者達であった。中には本当に強運を引き寄せ運だけで勝っていると思われる者も居たが、これは例外中の例外である。

 このような出来事から召使達が我侭姫に抱いた印象が、「非常に良く自分達の事を見ている」というものだった。気だるそうに寝台に寝そべっていたり気ままに遊戯に興じたり放蕩三昧の生活に見えて、きっちり自らの居城の様子を把握している。普段は誰も彼も十杷一からげで平民なんて見分けもつかないかのように扱っていながら、その実他の貴族より遥かに自分達に向き合っている。思えばイザベラは時に過去の失態などを揶揄して嫌味な言葉を吐いたりもするが、それは裏を返せばその本人が誰であるかというのをきちんと認識しているという事であり、不遜かつ傲慢に振舞う影に彼女の本当の人と為りが漏出してしまっている一例と言えた。

 一連の癇癪も、勤勉な者には褒賞を、怠惰な者には刑罰を、それが歪な形で現れているというのを彼女達が知ったのは何時頃だったろう。だがそれに気付いて以降、プチ・トロワ内の雰囲気が変わったのは事実である。我侭姫の癇癪は厄介なものであるが、恐れる程のものでは無い。その相手をするのは大変だが、高い給金を貰っているのだからその分の仕事だと思っておこう、そうやって大多数の者が彼女の行動を割り切ってしまっていた。

 結局のところ、イザベラは召使にとっては手はかかって厄介ではあるがそれなりに親愛の情を持たせるような主であるのだった。なにせ彼女達は四六時中この我侭姫の傍に侍っているのだ。幾ら覆い隠そうが生来持った気質というものを少しづつ理解し、認識していく。そして最終的には嫌いになれなくなってしまうのだ。宮廷で仕事をしている以上彼女の風聞だって耳に入ってくる。でもそれは表面的な事に過ぎない、実際は違うという思いがある種の庇護欲を引き立てたというのもまた理由の一つに挙げられるのかもしれない。
 そんな訳で一見殺伐としているかのようなプチ・トロワの内情は存外に穏やかでそれなりに平穏な空気で日々が過ぎ去っていくのだった。


 しかしこの小さな我侭姫の居城が本当に緊張の包まれる時がある。それは彼女が勤める役職と、それに伴い訪れる一人の人物によって引き起こされるものだった。

 イザベラは公式には何の役職にも就いていない。しかしそれも有名無実であり、宮廷貴族達は彼女がどのような役職に就いてどのような仕事をしているのか良く知っていた。
 北花壇騎士団。宮殿には存在しない架空の花壇の名を持つ、汚れ仕事専門の、騎士団と呼ぶにはおこがましい集団。それを統括するのがこの我侭姫の仕事なのだ。
 しかし統括、と言っても彼女の仕事は単純なもので、父から振られた任務を騎士団の誰かに横流しするだけ。つまりは単なる繋ぎ役でつまるところお飾りも良い所であった。国を統括する王自らがこのような集団を束ねるのは余り好ましくない――たとえどれだけ無能と謗られようが、名目だけは保たなければならない面子というものもあるのだ――という理由で、彼にとって近しくかつ手空きの者であるイザベラに白羽の矢が立ったと言う訳だ。なので実質的な統括者は以前父王ジョゼフであり、イザベラがそこに介入する余地はまったく無いと言って良かった。
「父上も酷いわ、わたしは有能なんだから、もっときちんとした役職を下さっても良いのに! そうは思わないかい?」
 周りには良くそう言って愚痴を零しているイザベラだが、その言葉も本心とは言い難い。確かにもっときちんとした役職の下力を振るってみたいという欲求はあるが、今の自分では決して人を統率していく事など不可能であるというのは自身が良く理解していた。魔法の力に乏しく、癇癪ばかり起している年端も行かぬ娘に、誰が着いてくるだろう? それが国王の娘だろうと、最低限要求される力というものはあるのだ。それを満たさぬ以上幾ら官職を与えられようと上手くやっていけるとは思えない、そうイザベラは理解していた。
 それに、とても誇れたものではないこの仕事もほんの少しだけ救いがある。だから彼女は幾ら愚痴を零して見せようと、本当にこの仕事を辞めたいと父に掛け合った事は無い。

 その客人がやって来る時、イザベラの居室は常に緊張感に包まれていた。召使達は一人の例外も無く表情を硬くしていたし、主たるイザベラ自身も何時もより数段表情を険しくさせ彼の者の来訪を待ち受けている。刺々しい空気が満ちる中、それを掻き乱すようイザベラが言葉を発した。
「あの人形娘はまだ来ないの?」
 その言葉を受け、お付の侍女がおずおずと言葉を発する。
「シャルロット様は、まだお見えになってはおりません」
 イザベラはその返答にふん、と鼻を鳴らすと、
「何度言ったら解かるんだい。あんな娘、人形――ガーゴイル――で十分だと言ってるだろ」
と不機嫌そうに言葉を訂正するのだった。
 今からイザベラの元を訪れる北花壇の騎士こそ、王族としての地位を剥奪されたシャルロット姫、オルレアン公の一人娘その人である。運命に翻弄されながらも命を存えた彼女は、今ではイザベラの部下となって様々な仕事を任されている――というのは甘い表現だろう。彼女に回される仕事は常に厄介で命の危険が及ぶ類のものが殆どである。亜人に吸血鬼に龍。おおよそ並のメイジでは太刀打ち出来ないような存在の討伐を命じられる事も少なく無い。しかしその全てを彼女は果たし、そしてまた今日もイザベラの前にやって来る。
「まあいいわ。お前たち、歓迎の準備をするよ」
 意地悪く笑いながら告げるイザベラの様子に、侍女たちは今度の歓迎も苛烈になるだろう事を知った。

 扉を開けたシャルロット・オルレアン――北花壇騎士団七号、「雪風」のタバサ――を迎えたのは丁重なもてなしでは無く、次々と投げかけられる卵の嵐であった。ぐしゃりとひしゃげた卵の殻から流れ出た黄身や白身が彼女の体のあらゆる場所を汚していく。美しい頭髪、マント、魔法学院の制服、細い足――体中がべとべとになったにも関わらず、タバサはそれを一切拭おうとはしない。
 対するイザベラも、そこまで汚れてしまってもお構いなしとばかりに高笑いをしながら卵を投げ続ける。それは偏執的なまでのある種のこだわりがあるようにも感じられた。
「見なさい、あの格好! おかしいでしょう? ほら、お前たちも笑いなさい」
 侍女たちも仕方なしに卵を投げ続けながら作り笑いを浮かべる。彼女達にとって、もう一人の王女――正確には元王女――の訪れは普段の癇癪に付き合うよりも精神的な苦痛を強いるものであった。自分達に降りかかる分ならば馴れもあり多少疲れる程度で済むが、こうやって他人に害を与える行為は何度行っても馴れる事は無い。
 投げかけられる卵の嵐も、嘲笑も、タバサはまったく意に介さない。氷のような表情を浮かべながら、一歩、また一歩と静かに歩みを進め、イザベラの前にまで辿り着いた。その様子が何か癪に障ったのか、イザベラが不機嫌そうに言葉を投げかける。
「何か言ったらどうなの?」
 だがタバサは答えない。ただ鋭い眼光を以ってこれが答えだと言わんばかりに、己の従姉妹の瞳を射抜き続けている。
「せめて怒るなり、悔しがるなり、泣き喚くなりしたらどう?」
 それでも彼女の視線は揺るぎ無い。一途で、全てを捨て去ってしまったかのような真っさらなそれを、イザベラは一身に受け止める。
「まったく、本当にガーゴイルみたいな娘だね」
 ――昔は感情のままに笑って、怒って、奔放に振舞っていたのに。
 続きそうになる言葉を、イザベラは強靭な意志で飲み込んだ。

 イザベラにとってシャルロットという少女はどういった存在だったのか。魔法の才能に溢れ、可憐で奔放な彼女は常に賞賛を浴びてきた。対照的に才乏しい彼女の分までも。その姿を見て、妬ましく思ったのは無理の無い事だろう。まだ少女であった身である。例え他人から認められなくとも、と割り切るには些か以上に若すぎた。
 しかしだからと言って嫌っていたか、と言えば決してそうでは無い。
 明るく外を走り回るシャルロットとは対照的に、幼かったイザベラは部屋に閉じこもって遊ぶ事が多かった。人の居る所に出れば、必ずといって良い程陰口の対象となる。さりげなく行われるそれが、幼い彼女にとってはとても辛い事だったから、誰からも避けるように一人遊ぶ事を選んだのだ。
 だがそんな彼女を光の下に誘ったのは、何時だってシャルロットだった。そっと手を差し伸べて、一緒に遊ぼうと孤独だった彼女を迎えに来たのはたった一人の従姉妹だった。そうして共に薔薇園を駆け回った思い出を持つというのに、どうして嫌いになれようか。
 イザベラにとって、何時だって彼女は眩しい存在だった。妬ましくもあり、だからこそ憧れでもあり、惜しみない親愛の情を注ぐ対象だったのだ。


 ――夜、召使達が引き上げ、一人になる事が出来る時間。薄暗闇の中二つの月だけが彼女を見つめるこの時だけが、素のままの自分を出せる時間だった。
「どうして、こうなってしまったんだろうね、シャルロット」
 昼間の様子からは考えられない程に気弱な言葉は、誰かが耳にしていれば聞き間違いではないかと疑わずにはいられないだろう。それ程までに今のイザベラの様子は普段とは豹変してしまっていた。

 従姉妹シャルロットの置かれている立場は微妙だった。命こそ存えているものの、彼女に与えられる苛烈な任務は実質的な死刑宣告に等しく、父王が彼女を抹殺しようとしているのは明らかであった。生き長らえているのは、一重に天才と呼ばれた彼女の才覚と修練の賜物だろう。
 そして存えれば存える程、宮廷に潜むオルレアン公一派は彼女を旗印に蜂起しようと考える。父の才覚を受け継いだ才女、シャルロット。また彼女にまつわる悲劇は民衆の同情を誘うだろう。決して少なくないオルレアン一派だ、機会さえ見誤らなければジョゼフを倒し彼女を王位に着ける事もそうは難しくない。
 しかしジョゼフとて言われるような無能では無い。彼等の動きを牽制し彼等に攻め入る隙を与えない。それにジョゼフ一派の結束は堅牢である。離反を誘発する事も中々に適わないのが現状であった。

 けれどもしそんな状況で――シャルロットに同情的でかつ無能王の首筋に切り込む事の出来る立場の人間が居たとしたらどうだろう? その人物は王に近しいながら王と折り合いが良くなく、またシャルロットと懇意でありその力になりたいと考えている。
 そう、それはまさにイザベラの事だ。ジョゼフの息女であり王の事情に精通し、動かす気ならば宮殿内で人員を動かす事も可能。もし抱き込めばこの上ない勝利の切り札となる。是が否にでも味方に引き入れようと考えるに違いない。
 だがイザベラは父王の考えを正確に看過していた。ジョゼフは、父は、まさにそれを狙っているのだと。彼はイザベラという釣り餌からオルレアン一派の蜂起を狙い――そして一掃するつもりなのだ。幼少の頃二人の中が良好だったことはジョゼフとて熟知している。その情を利用した、非情なる罠であった。己の狙いが当たれば善し、そうならずとも娘が忠実に仕事を果たせば穏便にオルレアン公の血脈を断ち切る事が出来、あとは粛々と残存する一派を潰せば良く、これまた善し。どちらに転んでも既にジョゼフの思惑の中なのだ。
 無能王の唯一の誤算は、己の娘の力量を見誤っていた事であった。才乏しく生まれた彼女にさして興味も情も覚えなかった彼は、自分の娘が己の血を分けているというその事実を見過ごしていた。ハルケギニア一のチェスの指し手だと自負するのならば――その娘もまた自分に匹敵し得るだけの指し手となる可能性を持っている事にどうして気付けなかったのか。
 イザベラがその父の考えを知った時、即座に思ったのは「決してオルレアン一派を動かしてはならない」という事だった。父王は何か大きな切り札を隠している。あやふやな直感だが、それは確信出来た。もし蜂起した所で簡単に捻り潰すだけの策を抱えている。
 故に現状での最適解は――。

 ガリアの王が代替わりを果たして後数ヵ月後、プチ・トロワの内部で二人の少女が久しぶりの邂逅を果たしていた。
「ひさしぶりじゃないか、どうだい、今の気分は」
 一人の少女はかつての笑顔ではなく、傲慢な笑みと蔑みを以って彼女を迎え。
 もう一人の少女もかつての笑顔ではなく、氷のような表情を以ってそれを受けた。
「わたしはね、今のあんたの事を見てると胸がすく思いだよ」
 そう告げる胸の内は、激しい痛みに苛まれたが、しかしそれでもやり遂げなければならなかった。今日だけではない、これからもずっと、続けなければならない。だから、彼女は魂までも振り絞り、その言葉を放った。
「ずっと隠してたけどさ……わたしは一人だけちやほやされてるあんたの事が昔から大嫌いだったんだよ!」
 不意にタバサの頭が持ち上がり、イザベラの目を見つめる。氷のような表情は変わらぬものの、そこに僅かに動揺があったように思えたのは、イザベラの気のせいだっただろうか。

 イザベラが取った策、それは彼女が他の者に取ったのと変わりない事だった。しかしそれはより苛烈に、徹底的に行われた。
 イザベラは、タバサを徹底的に拒絶したのだ。好意など一片も無いと、憎んでさえいると、公に言って見せたのだ。二人の仲睦まじい時代を知る者はその言葉を聞いて耳を疑ったが、幸いにな事に既に我侭を始めてから大分時が経っていた事と、宮廷に蔓延する「魔法の才に関してイザベラはシャルロットに嫉妬しているという」というような風聞がその態度に説得力を与えた。これはすぐさま潜伏するオルレアン一派の耳にも入り、かつて懇意であったイザベラ姫を引き入れる事が出来るかもしれないという希望は脆くも消え去った――そう信じ込ませる事が出来た。
 しかしこれによりオルレアン一派の動きは慎重に、より地下に潜るようになった。これで軽々しく決起をしようという動きは無くなった。
 
 そのような宮廷の動きを見てイザベラは胸を撫で下ろす。そう、これで良い。オルレアン一派の動きを掣肘し軽挙妄動を慎ませ、シャルロットの危険を減らす。一方でわたしは父上からの任務を忠実にシャルロットに与えるように振舞う。これで父の方も表向きはこれ以上の行動を取る事は出来なくなったはず。あとはこちらで可能な限り自然な形で彼女の仕事を補佐出来れば、困難はあっても危険は著しく減るに違いない。
 イザベラという存在は大した駒では無いように見えて、その実オルレアン派にとってもジョゼフ派にとっても動き次第で情勢が変わる危うい位置にある存在だったのだ。しかし逆に言うのならば、彼女自身が上手く立ち回る事によって双方の動きを制する事が出来る。そう考えた彼女が取った、今取りうる精一杯の策がこれであった。
 イザベラはシャルロットに生きていて欲しかった。どんなに変わろうとたった一人の従姉妹に死んで欲しくなかった。
 そして同様に彼女は自分の父も愛していた。一般的には不仲に見られがちだが、たった一人血を直接分けた父なのだ。自らの親を嫌いになれるはずが無い。
 しかし愛する父は、大好きな従姉妹を殺したがっている。そして従姉妹もまたそんな父を殺したがっている。どちらにも死んで欲しくない、なるべく穏便に済ませたい。そう悩み抜いた末の策でもあった。

 しかしその結果、イザベラとシャルロットという少女達は二度と偽らざる姿で合い見える事は無くなった。我侭姫の仮面と人形という仮面を通してしか触れ合う事が出来なくなってしまった。

 ――どうしてこんな事に。
 そう、言わずにはいられなかった。かつて共に笑いあった日々は、もう戻らない。これが運命だとしたら、余りにも残酷で、酷すぎる。
「もう、今日は疲れたよ」
 イザベラは己の寝台に深く体を埋める。もう疲れた。今日という日だけでなく、生きる事そのものにも。何時までこうやって偽り、謀りながら生きていかなければならないのだろう。

 既に生きる事すら厭わしいとすら思っていた彼女。しかしそれが本心で無いと、己が本当に望んでいる事があると知るのは、そう遠い未来の事ではない。

 遠い異国の地で矜持の下一人の少女が未来を掴んだように。
 己を偽る少女の手の先には、希望が輝いていた。


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